修学旅行の見送り

 なんとなんとPTAが修学旅行の見送りに行くのだ。それがしが中ボウだった35年前にはそういう習慣はあったのだろうか。当時は大人に関心なぞまるでなかったからまったく覚えがない。
 PTAではそれがしと副会長のHさんとで東京駅で生徒たちを見送ることになっている。
 それがしは一旦出勤して、7:00すぎに会社を出た。復元工事が完成間近の東京駅丸の内駅舎をみて階段を下る。生徒たちは丸の内南口の地下に7:40に集合する。他校の生徒たちも集合しているので、まるで戦場のように賑やかだ。集合後先生たちによる注意事項。校長の挨拶。そしてお鉢が廻ってくる。あ〜あ、いつもこういう時に挨拶させられる。PTAの会長が何を云えばいいのか。“じっくり修学してきなさい”ということと“先生たち大人の云うことを聞きなさい”ということと、さらにそれでもなおかつ“いい思い出を作っておいで”。さらに“おうちの人はおみやげ話を待ってるよ”ということをせっかちに喋った。
 8:23東京駅発の新幹線は、いわゆる“修学旅行列車”で、東京から関西に向かう中学生たちしか乗らない新幹線なのである。長い列が改札を抜けてホームに上る。副会長とふたり行列の最後尾からついていく。新幹線が入線してドアがサッと開き、生徒たちが列車に乗り込んだら、もう出発時刻なのである。引率の先生方に挨拶し生徒たちに手を振り、あっという間に新幹線はホームを離れていった。
 こういうこともPTA役員の仕事なんだなぁ。感心しているのだ。