2017-01-01から1年間の記事一覧
1985年(昭和60年)8月12日午後6時54分。羽田発伊丹行の日航123便の機影はレーダーから消えた。日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故である。520人が事故に巻き込まれ、命を落とした。このときから残された家族の戦いと慰霊が始まる。事故の遺…
阪神・淡路大震災(1995年)や東日本大震災(2011年)の惨状をみて、70数年前の空襲などの戦災をイメージした人は多いと思う。すべてが焼き払われている(あるいは流されている)様子は、戦争を体験していない人々でも写真を比較してほとんど同じ…
阪神・淡路大震災(1995年)や東日本大震災(2011年)の惨状をみて、70数年前の空襲などの戦災をイメージした人は多いと思う。すべてが焼き払われている(あるいは流されている)様子は、戦争を体験していない人々でも写真を比較してほとんど同じ…
戦後72年。戦争を経験した人々はどんどん減っている。直接の語り部が消滅しかけている。それならば、今後は若い人がその代わりを務めなければならない。戦争体験者から直接聞くことは不可能でも、それを直接聞いた人から話を聞くことは今後も可能だ。むろん…
「ルードヴィッヒ(Ludwig)」(1972)ルキノ・ヴィスコンティ237分。4時間の長尺映画であるが、当初からこの長さではなかったようだ。 ヴィスコンティが完成させたとき、配給会社から長過ぎる、とクレームが付き、 ヴィスコンティは泣く泣く184分(3…
以前に『それでも、日本は「戦争」を選んだ』という本を紹介した。この本は2009年の出版だった。本欄に執筆子が紹介したのは、かなり遅くおそらく2012年か2013年ごろだろうと思う。その本の続編が昨年出版された。『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』…
先月に引き続き、『夢遊病者たち −第一次世界大戦はいかにして始まったか−』の下巻(2巻)を読む。2巻には事項索引と人名索引がついているから少しは読みやすかった。 下巻は戦前のそれぞれ列強の動きを解説し、サライエヴォでのオーストリア皇太子夫妻の…
たいへんな本を手にとってしまった。全2巻(844ページ)の大著である。しかも翻訳本。そして発行元は学術書を出版しているあの、みすず書房。とくれば、どれだけ硬い本なのだ、と想像がつく。タイトルをみて、ふらふらとこの本に近寄ってしまった、執筆…
新渡戸稲造、という人に興味があった。樋口一葉の前の5,000円札の人である。 昭和59年から平成16年まで流通していた。そもそもこのときに新渡戸稲造って誰だか知らなかったし、『武士道』の作者だった、とか、国際連盟の事務局次長だったとか、経歴について…
今月はサバイバルの本。生存していくための手引書を紹介する。 大地震、大津波、大噴火。それから大事故やテロリズム。その場に居合わせた人々は、否応なく巻き込まれ、死んでしまうか、はたまた幸運にも生き残れるか。死と生存の差はなんなのか。死者と生存…
今月も防災本を紹介したい。 群馬大学の片田教授は災害社会工学が専門であるが、自然災害大国である日本においては、避難の専門家ということになっている。 片田先生の書籍は2015年の12月に一冊紹介している。 『子どもたちに「生き抜く力を」 釜石の…
日本は自然災害の多い国である。地震、台風、豪雪・・・。世界で起きているマグニチュード6以上の地震の約20%が日本で発生している、という。我々は地震多発地域で生活している、ということを自覚して、地震に向き合わなければならない運命にある。だか…
先月は上智大学の先生でイエズス会の神父でもあるピーター・ミルワード先生の本を紹介した。今月もイエズス会に関係のある本を紹介したいと思う。イエズス会宣教師の話。でもそれは小説なので、フィクション。しかしいたる処に史実どおりのこともちりばめて…
上智大学の先生でイエズス会の神父でもあるピーター・ミルワード先生の授業がそのまま本になったような書物が出版された。 第一部がピーター・ミルワード先生の講義録で、第二部が教え子であり訳者でもある橋本修一先生のシェイクスピア入門編とも云える教養…