シェイクスピア・アラカルト 3

【思いを語る】

 シェイクスピアは、その膨大な台詞に圧倒される。台詞がすべて。と云っても過言ではない。
 シェイクスピアは、膨大な量もさることながら、語彙の豊富さに驚嘆する。一つのことを表現するのにこんなにたくさん言葉を連ねて、という場面はいくらである。言葉の宝庫だ。持っている語彙が少ない我々、現代人にはたいへんなお手本になる。
 さらにシェイクスピアの言葉の持つ怪しげな魔力、というか神秘的な響きを感じるとき、それはとても幸せな瞬間なのだ。
 日本語に翻訳した先生方に最大の敬意を表したい。
 シェイクスピアは、さながら人間の見本市だ。いろいろなタイプの人間が登場する。老若男女。階層も偏ることなく前後左右上下斜め横奥手前……立体的に人間の見本市が広がっているようだ。
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 今回の「シェイクスピア・アラカルト」。
 いったい、どんなふうになるのだろう?
 中学生にみせる演劇。しかしレベルを下げるのではなく、台詞はそのまま。
 彩乃木さんには、圧倒的なシェイクスピアの神髄を抽出してほしい。