シェイクスピア・アラカルト17

 土曜稽古日。稽古は11:00から開始。
 こちらは、10:00からPTAの寄り合いが1件。
 役員選考委員会。
 いよいよ来年度のPTA役員の選考が始まった。先週までに集まった推薦票(全校保護者宛に推薦する人を匿名で記載してもらったもの)を開票して、名前の挙がった人の一覧表を作り、それを選考委員で手分けして推薦された人に連絡を取る。その仕分け作業。だれがどの候補者に電話するか。
 今回は会長を決めなくてはならない。
 たいへんだ…(-_-;)

 役員選考委員会が終わって、稽古に合流。特別活動室で「ヴェニスの商人」。
 「ヴェニスの商人」のテーマは、人種差別にある。露骨なユダヤ人排斥。真っ当な契約なのに人肉1ポンドをもらいそこねたばかりか、全財産を没収され、可愛い一人娘もキリスト教徒に奪われてしまう、哀れなシャイロック。彼が主人公なのだ。
 しかしながら、今回のアラカルトではシャイロックは出てこない。
 今回のテーマは、思春期の子どもたちに恋愛の素晴らしさを感じてもらうことにある。だからジャイロックではないのだ。彼に出番はない。しかし、そもそもこの「ヴェニスの商人」に恋愛の素晴らしさを描いた場面なんか、あるのだろうか。………ないわけではない。そこを「シェイクスピア・アラカルト」は見逃さない。「ヴェニスの商人」を強引にアラカルトの仲間に加えたのである。真剣に異性を愛する場面。それはどこだろう?

 愛を描いていて、そして唯一コミカルな場面は、いわゆる「箱選び」の場面だ。ポーシャがお父上の言付けにしたがって、自分の夫の候補者に金・銀・なまりの3つの箱からひとつだけ選ばせて、正解を当てた人を自分の夫にする(……現代ならひどく人権無視の話であるが、あくまでも16世紀のお話なのだ)・・・・・・という話。これをどう料理するのかは、観てのお楽しみ。演出上、事前に申し上げるわけにはいかないのである。

 16:00になり、体育館が空いた。早速一座は移動する。さながら旅芸人一座である。移動は早い。
 舞台では、「ペリクリーズ」を稽古する。
 「ペリクリーズ」には歌唱が入る。ミュージカル女優の吉田理恵くんの美声。ただ事ではない。