「顧問会」

 午後、中学校で「顧問会」があった。中学校における“顧問”とは、歴代校長と歴代PTA会長である。
 と、定義付けできるのは、呼び出されて、実際に歴代校長や歴代会長に会ったからだ。
 それがしは次期会長予定者に過ぎないので、「顧問会」には参加できない。参加したのは、夜の懇親会で、しかも途中からの参加だ。前日の午後、現会長から電話があり、夜の会への参加を依頼された。年度末だし、前日もそれから翌日も観劇があるので、この日の夜は予定を入れずに、残業したかったが、そうもいかず。それがしの出席は、ほかならぬ校長が云い出したことだという。そうであるならば、断れない。学校長のことを狭い教育村では“社長”などと云っている。つまり所属長は究極のボス、ということだ。それは教員の中での業界内呼び名であるので、PTAの役員としては、学校長のことを軽々しく“社長”などと呼ぶべきではない。PTAは学校当局の風下、川下ではないのだ。規程では同等なのだ。
 とは云うものの、校長はそれがしよりも年長者であり、学校の責任者であるから、その一言はおざなりにはできないし、ましてや無視はできないのだ。校長から誘われれば、よっぽどのことがない限り、断れない。
 19:00頃、随分遅れて懇親会の会場である居酒屋に入る。T現校長とS現会長の他、元校長が2名、そして元PTA会長が3名。うち、2名は近隣町会の町会長。昼間、学校でいろいろな話(昔話が主)をして意見を交換して、場所を変えて酒席になったようだ。昼間の寄り合いには、S恩師も参加していたという。
 我が中学には「顧問会」なるものはなかったらしい。むろん昔はあったかもしれないが、現校長が赴任したときにはなかった。それを当校の校長として2年目になった現校長が、この「顧問会」を立ち上げた。現校長は、我が中学校を昔のように薔薇がきれいに咲き、芝生が青々と生えている学校にしたいという夢がある。と語った。そのような昔の学校の姿を知っている校長OBと会長OBに声を掛けて「顧問会」を開催したわけだ。
 酒席では、それがしは現会長と共に一番ぺいぺいなので、お酒を注いだり、料理を取り分けたりした。
 みなさんの会話を聞いていて、わかったことがひとつある。それぞれ我が中学校のことを愛してらっしゃる。
 20:30ごろお開き。徒歩でお帰りの方をお見送りし、電車でお帰りの人を改札までお送りし、現会長とふたりになって、二次会へと繰り出したのでありました。