「マイボイコット宣言!」アーサー・ビナード講演会

 日時:平成26年9月28日(日) 13:00〜16:00
 場所:Coconeriホール 練馬区立区民・産業プラザ3F
 会費:2,000円

 興奮しました。
 時間切れの最後にアーサーはとてもいいことを云いました。
“巨大なまやかしや嘘に対抗するための道具は、「ことば」だ。ことばで対抗するしかしかない。ことばは「室(むろ)」で醸される。室の中でことばは発酵する。”・・・・・この表現に痺れた。一晩経ってもまだ、痺れたままだ。心に残ることばは室で発酵させているんですね。
詩人は“ことばをかもす人”ということですね。

「マイボイコット」という行為が素敵です。その行為は否定ではなく肯定だ。とアーサーは云いました。そのとおりだと思います。不買運動(○○を買わない)などは否定行為であり、それは自分の気持ちよりも相手のことを考えている感じ。まずは相手ありき。その製品があるから、それを買わない。ということですが、肯定は行為の主体は自分であって、自分が自分で自分のことを考えている感じ。自分はこのように判断してこれをやらない。ほんのちょっと不便なことがあるけど、生活に著しく支障はない。前向きに考えられる思考法ですね。
そして、「マイボイコット」を断行するときの気持ちは興奮状態でなければならないわけで、アーサーはこれまたその時の気持ちを具体的なことばで表していました。「○○するもんか!」「○○してやらない!」「お前らが潰れるのが楽しみだ」云々。討ち入りのような高揚した気分。。。。。面白いですね。押しなべて躁状態なわけですよ。
自分もマックをマイボイコットしてました。けど、先日深酒をして電車を乗り過ごしてしまい、終点の駅で放り出された時、駅周辺で営業していたのが24時間営業のマックだけで、このマックで始発まで睡眠して過ごしたことがあった。他にも同じような境遇のお客さんがいて、みんな寝ている。店員も何も云わないし追いだそうとはしない。無事に始発までマックに世話になってしまった。マックの便利さに内心感謝してしまった次第。
これじゃあ、「マイボイコット」になりませんね。あはは(笑)

2年ぶりのムジカ主催のアーサー・ビナード講演会でした。アーサーはだんだんと貫禄がついてきたように思えました。最初に彼の話を聞いた時には(もう6年くらい前になりますか)、外国の若者が日本語で頑張っている、という印象でしたが、いまや彼が日本語の権威者のひとり、という感じです。毎日毎日、日本人及び日本語のことを考えているのだから当たり前ですね。
今後の彼のさらなる活躍を祈念します。

残念でならなかったのは、時間が延びて、サインしてもらう時間がなくなってしまったことです。いつもサインをしてもらいながら、一言二言彼と話すのが楽しみでした。